3.22『僕の師_原点』

昔からいい曲を聴くと、どうしてだろう?ってすぐに突き止めたくなった。

スコアがなければ_というか大概、先に

俗にいう『耳コピ』で一度スコアを書いてみる_。十代の頃から膨大な数を

仕事以外でもよくやって来たけれど、それは未だに変わらない_。


不思議と楽譜にしてみると自分みたいな人間にも見えてくる部分がある。

バンドコピー譜みたいのはよくあったし、便利だったけれど、オケとなると話は別でクラッシック以外ほとんどが手に入らなかった。

だから十代の頃からよく映画サントラなどのオーケストラの作品をひたすらスコアにした。

(『さよなら銀河鉄道999』などは、東海林修さんのオケのスコアを起こしながら感動して泣けてしょうがなかった。

3年ほど前、ご本人から僕へのサイン入りのスコアを頂き、昨年他界され、今となってはそれは僕の宝物の一つ。)

それは今も全然変わらない_楽譜が手に入るものであっても

すぐに印刷物を分析するより、この方が不思議と圧倒的に音楽が心につながり、血となり肉となる気がする_。

まず自分の耳で聴く_書く_じっくりともう一度聴く_。


昔、二十代はじめ尊敬していた佐藤允彦さんにアドバイスを求めた時だったか、

『まずスコアを見て頭で鳴らす練習_次に聴きながら今度は頭の中でスコアするようにしなさい』って言われた。

うわ、めちゃめちゃ高度だなって当時は思ったけれど、ピストンの管弦楽法を読んでいたら、

それは音楽家が生涯をかけて洗練させていく仕事だと言ったことが書かれていてホッとしたことを思い出す_。


『自分の内なる耳と外の耳で聴くlisten_書くwrite out_じっくりともう一度聴くlisten_。』


これが僕の原点_。

僕の教師は常に録音物_そしてスコアすること。

多分これからも。


そう言えば、A.Brendelがインタビューで私の最大の教師は『カセット・レコーダー』でした_と言っていた。

音楽家にとって当たり前すぎる『よく聴くこと』の大切さを思う。